【報告】学術講演会「デジタル・ヒューマニティーズ最前線」を開催しました【古典籍・文化財デジタルアーカイブ研究センター】
2023.03.20
古典籍・文化財デジタルアーカイブ研究センター(DARC)では、3月13日(月)に学術講演会「デジタル・ヒューマニティーズ最前線」をオンライン開催しました。
このテーマの下、お迎えしたお二方の講師より、デジタル・ヒューマニティーズの歴史や動向、そしてその利活用と研究成果など、非常に興味深いお話をいただきました。
当日は学内外から40名を超える方々にもご参加いただき、無事終了することができました。ご参加の皆さまに御礼申し上げます。
【プログラム】
日 時:2023年3月13日(月) 15:00-17:00
テーマ: デジタル・ヒューマニティーズ最前線
「人文学とコンピュータ、その過去・未来・現在」
永崎研宣氏 (一般財団法人人文情報学研究所・主席研究員)
「美術史・文化財研究とデジタルヒューマニティーズ
―顔貌コレクションによる日本中世絵巻の分析を例に― 」
髙岸 輝氏 (東京大学大学院人文社会系研究科・教授)
司会: 三谷真澄(DARCセンター長、龍谷大学国際学部国際文化学科・教授)
主催: 龍谷大学 古典籍・文化財デジタルアーカイブ研究センター
共催: 龍谷大学 世界仏教文化研究センター(西域総合研究班)
「人文学とコンピュータ、その過去・未来・現在
〜デジタル世界での人文学の位置づけと役割」(永崎研宣氏)
コンピュータの出現からデジタルヒューマニティーズの歴史や内容、国内外の学界動向、TEIガイドラインの意義と現在の状況(P5)などが網羅的に説明された。また、今後の方向性や諸学会の取り組み、特にJournal of Digital HIstoryの事例等が紹介された。特に、「方法論的共有地」に関して、人文学における学問分野の方法論の相違を超えた連携の可能性が示唆された。
「美術史・文化財研究とデジタルヒューマニティーズ
—顔貌コレクションによる日本中世絵巻の分析を例に—」(高岸輝氏)
画像のデジタル化の歩みやその利活用、IIIF規格の重要性、14世紀の絵巻物に関する固定観念を覆す発見がデジタルデータの活用によって得られることが説明された。具体的な実例として、IIIFで公開されている画像をもとに切り取られた9,683点に及ぶ「顔貌コレクション」を活用した、清浄光寺甲本「遊行上人縁起絵巻」の様式分析について紹介がなされた。