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【報告】国際学術シンポジウム「西域響流 〜大谷探検隊をめぐるデジタルヒューマニティーズ最前線〜」を開催【古典籍・文化財デジタルアーカイブ研究センター】

2026.01.13

 2025年12月20日(土)、龍谷大学大宮キャンパスで、古典籍・文化財デジタルアーカイブ研究センター(DARC)主催・世界仏教文化研究センター「西域総合研究班」共催による、国際シンポジウム「西域響流〜大谷探検隊をめぐるデジタルヒューマニティーズ最前線〜」が開催された。DARCは、2024年度に創設された本学「学際的研究プロジェクト」のひとつで、本年2025年度はその第1フェーズ最終年度にあたっており、本シンポジウムは、大谷探検隊収集資料にかかわる国内外の研究者を招へいし、最新の研究成果の紹介や情報交換を目的として企画された。シンポジウムでは、韓国国立中央博物館・東京国立博物館・京都国立博物館からの招へい研究者に加えて、DARCから二名の兼任研究員が研究発表を行った。また、会場となった東黌の多目的エリアではポスター展示が開かれ、DARC研究員による研究成果が公開された。

            韓国国立中央博物館の展示スペースについて解説されるKim氏

 シンポジウム冒頭、三谷真澄DARCセンター長による開会の挨拶・趣旨説明の後、安藤徹本学学長による挨拶が行われた。学長挨拶に続いて、三谷センター長の司会進行により、六名の研究者が研究成果を報告した。
 東京国立博物館(以下「東博」)の勝木言一郎氏は、東博に所蔵される2点の舎利容器TC-472及びTC-557を対象とした、CTスキャンと蛍光X線マッピングの結果を紹介した。続いて、京都国立博物館(以下「京博」)の上杉智英氏は、京博に所蔵される5点の「大谷文書」を取り上げ、文書全体の画像や書誌情報及び京博に所蔵されるに至った経緯を説明するとともに、今後の課題を指摘した。
 韓国国立中央博物館のKim Haewon氏は、同博物館所蔵の「大谷コレクション」に関わる展示の実際と、「大谷コレクション」に対する研究成果をどのように一般に公開してきたかという点を、2005年から現在までの展示から具体的に紹介した。また、Kwon Youngwoo氏は、韓国国立中央博物館が2019年以降に行ってきた「大谷コレクション」中の文字資料に対する研究成果を、主に漢文で書かれた碑文や文書を中心に具体的に紹介し、韓国・日本・中国の関連機関と共同研究を実施することの重要性を指摘した。

                 カラホージャ古墳群について解説されるKwon氏

 道元徹心氏(DARC兼任研究員)は、デジタルヒューマニティーズの適用事例として、現在、デジタルアーカイブ化研究事業に取り組んでいる「青蓮院吉水蔵聖教」の資料から、慈円の思想に関わる資料を扱い、その研究成果を紹介した。また、同じくDARC兼任研究員の植田祥明氏は、澤本理花氏との研究成果を紹介し、古文書などの文書画像の文字認識を前提とした、2値化システムの試作版についての検討状況を報告した。
 シンポジウムに合わせて行われたポスター展示では、DARC研究員による研究成果を紹介した15点のポスターが掲示された。会場となった多目的エリアでは、会場参加者との質疑応答の時間が設けられ、活発な交流が行われた。なお、このポスター展示は、会場となった東黌の多目的エリアで3月末まで継続されるだけでなく、深草キャンパス及び瀬田キャンパスでも実施される予定である。

                  東黌・多目的エリアでのポスター展示

 研究発表後に行われた質疑応答では、会場参加者との質疑応答だけではなく、登壇者間でも質疑応答がなされ、発表では言及できなかった詳細や今後の課題に関する活発な意見交換が行われた。質疑応答に続いて、曽我麻佐子DARC副センター長による閉会の挨拶が行われ、シンポジウムは閉会した。

             三谷センター長(向かって一番左)による司会進行での質疑応答